日本を代表するスーパースポーツGSX-R1000のペイント紹介例。

GSX-Rって聞くだけで何か戦闘機みたいなイメージを持つのは僕だけでしょうか?
隼やZZR1400とはひと味違うモンスターマシンをシックでスポーティーな感じに塗り上げたいと思います。

【GSX-R1000】
既に一通りのカスタムが施されている今回の車両。
無茶苦茶速そうですね(汗。
こちら、オーナーさんより事前に頂いた、ご注文のイメージ図とペイントに伴い新たに装着予定のカウリング資料画像です。
シルバーとブラックを基調としたペイントとスタイリッシュなカウル、仕上がりのイメージは欧州スポーツと言ったところでしょうか。
まずは、オーナーさんよりご相談頂いた、純正のアッパーカウル用の社外スクリーン(カーボントリム付き)を
今回のカウルにセット出来る様に加工します。どちらも違うメーカーの社外製品の為デザイン上の互換性は通常有りませんが
今回は上手く取り付ける事が出来ました。ん~イイ感じです!
その後、塗装ベースとしての製品チェックを行います。
クラック(割れ)やゲルコート(表面の白い層)のエアホール達です。
(大きくあいた穴は怪しい所を当方がホジって露出させた箇所です)
過去の経験上、持ち込まれる多くのFRP製品には大なり小なりこの様な症状が有った様に思います。
希にパーフェクトと言える品に出くわす事もありますが(驚!)、パーツが大きくなる程/形状が複雑になる程に
製品精度が低くなる傾向にある様です。
気になる箇所に手を加えていきます。
僕らの仕事は幾つもの作業の積み重ねによって一つの完成形になるので、最初の土台はとても大切です。
仮に最後の磨き工程でボロっとゲルコート層に穴なんてあいた日には、何工程ものやり直し作業が求められます(泣)
FRPのガラス繊維が肌に刺さると、チクチクと痛痒いので大げさ位の格好で削ってます(笑)
その後、製品の歪みもパテ処理によって、ある程度取り除いてやります。
ゲルコートの状態では大して気にならない製造上の歪みも、テカテカに塗り上がった際には結構目立つ存在です。
街で社外のエアロパーツを組んだ4輪車なんかのウネウネが気になる事も。(職業病?)
アッパーカウル、アンダーカウルそれぞれに必要な下処理を施した後、下地塗装へ。
純正部品もそれぞれの状態に合った下地処理を施していきます。
こちらも下地塗装は加熱乾燥室へ。
只今、下地研磨中。
基本、僕は腱鞘炎気味です。。。
ベースのシルバーカラーのペイントが済んだので仮組みしてみます。
(今回はパーツ持ち込みのオーダーで車両はお預かりしていないのでこのやり方)
赤いラインはアンダーカウル塗り分けの墨だしをレーザーライナーを使って確認しているところ(ハイテク?!)
塗って研いで塗って研いでの繰り返し。
サンドペーパーで指紋も削れて無くなりますが、直ぐに再生されるので悪い事はできません(笑)
クリアーコートでテカっと締めましょう!
仕上げはやっぱり磨き込みです。ピカピカな仕上がりを目指し腱鞘炎ハンドにムチを打ちます。
ポリッシャーは重量+ジャイロ効果でかなり手首にキマす。。
そして無事完成!
数色のシルバーと数色のブラックでまとめた、大人仕様のスーパーバイクに塗り上がりました。
ロゴ類は全てペイント仕上げとなっているので、色合い/バランス等は思いのままです。
派手なグラフィックも似合っていましたが、こういったシックな仕上がりもこの戦闘的なスタイルには凄くマッチしていると思います。
一見、純正っぽく。しかしながらラインナップには存在しないカラーリングとデザインアップした社外カウリング。
それに抜かりのないパーツセレクトによるカスタムスポーツ。ん~ジェントルな楽しみ方が素敵です。